前回に引き続き、昨年の夏休み企画「パフォーマンス」の様子、後半をお届けします。
(前回の様子はこちらhttps://deafgunma-kira.com/info/1774/)
どの日(3回実施)もあっという間に、リハーサルの時間になってしまい「え~!まだ!」「ムリだよ~」と子どもたち。
「そうだよね。こんな短時間で劇を作るとか初めてだよね。」と共感しつつも「一度、リハーサルをやってみて、何が足りないか分かってからまた相談しようと思います。」と説明。
そうそう、一日の流れはそのように書いてあります。2回目、3回目の参加の子は段々と慣れてきたようです。
「〇〇時からリハーサルします!」と宣言。
気が引き締まって、相談や練習が進みます。
「最初に何やるか説明したら?」
「最後が決まってなかったね」
「〇〇ちゃんが何も役がないよ」
など、本番を意識することで気付くことがたくさんありました。タイムキーパーも現れます。
さあ、リハーサル!発表の順番を決めるにも時間がかかった日もありました。
いざ始めると、恥ずかしがって顔を上げられなかったり、固まってしまったりすることもあります。
リハーサルが終わってスタッフは、敢えて「反省」ではなく「良かったところは?」と聞きました。
意外そうな顔をする子どもたち。最初は意見が出ませんでしたが、スタッフが「〇〇ちゃんは、きちんと前を向いて話していたね。」「〇〇チームは、時間通りに終わったね。本番みたいだったね。」など話していくと、「あ~なるほど」と同意は得られました。
「リハーサルなんてできるわけないと思っていたけど、やってみると『意外とできてる』って思わなかった?」と聞いてみると、特に高学年の子が「そうそう。ホントにそう。相談の時は絶対無理だと思ったのに、ウチのチームも何とかなった。他のチームも面白かった。もう少しちゃんとやりたい。」と言ってくれました。
「覚悟を決めてやってみたら意外とできた」そんな経験もちょっと自信になるかしら。
そして回を重ねるごとに、「〇〇チームのダンスはかっこいい」「〇〇くん、おもしろい」など、お互いの良いところを段々と言葉にしていけるようになってきました。
「客席にお尻を向けない」「ずっと笑ったりしない」「他のチームの発表をちゃんと見る」「手話をはっきり表現する」など、良くなるポイントを出し合い、本番に向けてもう一度練習。昼食をさっさと済ませてチームを集めて練習や準備を始める子もいました。
さて、いよいよ本番。事務室にいるスタッフも観覧席へご招待。リハーサルより更に緊張感が出ます。
「活動室を広くステージとして使いたい!」という要望を受けて、事務室を観覧席にして、カウンター越しに観覧した日もありました。
ダンス・マジック・劇・コント、思った通りにできたかな?
証明担当、司会担当などが必要だと気付いた子もいて、自由にやってもらいました。
「恥ずかしかった」「楽しかった」「大変だった」「またやりたい」「難しかった」「衣装を作るのが楽しかった」「もっとみんなもデフコント見たほうが良い」など感想はそれぞれ、最終日は、3日分のステージ発表をプロジェクターで投影し、おやつを食べながらみんなで見ました。
ついでに?メディアで活躍するろう者のコントや手話ポエムなども鑑賞し、「すごーい」「どうやって練習したんだろう」と言っていました。本格的なパフォーマンスに触れる機会ももっとあると良いですね。
この企画は、「人前で発表するものを作り上げる」ことを通して、コミュニケーション力・企画力・表現力などを磨いていこうというものです。施設の形態上、一日で相談から発表まで仕上げなければならず、作品の完成度は上げにくい面はありますが、「相手を意識した表現」や「意見をすり合わせる」ことを積み重ねていきたいと思っています。
今年はもっとグレードアップしたいと考えています。ぜひ参加してください★